【参考】まちづくり基本条例に関する特別委員会の概要
更新日:2009年12月2日
平成19年2月27日に結審しました「まちづくり基本条例に関する特別委員会」の審査の概要については次のとおりです。
自治基本条例制定に向けて(提言)
地方分権一括法(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)が平成12年4月に施行された。中央集権型の制度から地方自治体が国と対等・協力の関係に立った行政制度へと大きく変わりつつある。中央から地方への権限と財源の移譲が求められている中で、地方自治体は、自己決定・自己責任による自治体独自の取り組みによる運営が求められている。
しかし単純に国から地方へ権限と財源が移譲するだけでは、本来の地方分権とはなりえない。地域住民の信頼に応える自治体づくりには、市民の参加と協働による自治体運営が重要である。こうした地方分権の改革の流れの中で、自治基本条例制定の動きが全国的に起きている。
当特別委員会は平成17年12月、分権改革の重要性にかんがみ、自治基本条例に関する調査・研究のために設置された。市民の負託をうけた議会は、市長と同じく市の運営に責任がある。ゆえに議会としても、所沢市の憲法ともいうべき自治基本条例制定に向けて活動を展開してきた。
なお先進的な事例として、三重県四日市市、東京都豊島区、神奈川県大和市を視察し多くのことを学んだ。また、特別委員会のなかに市民部会と企画部会を設置し、市民参加のあり方、条例の骨子、論点整理などについて議論を進めてきた。
市民部会では自治基本条例に関するアンケートを実施し、292人の市民から市の取り組みに対する市民参加の要望など貴重な回答を得た。企画部会では議会報や市議会ホームページでPRを行った。こうした議会の自治基本条例への取り組みは、全国的にも類を見ない先進的な活動である。
こうした調査・研究をもとに当特別委員会は総意として、以下2点にわたり提言する。
1.自治基本条例についての市民へのPR活動の徹底。「自治の基本は市民が主役」であるとの視点から、
- 市民主導のPI(パブリック・インボルブメント)による素案づくりに努める。
- 条例制定に向け、市、市民、議会等が調整に努め、所沢版の手法について検討する。
- そのために、さらに議会報や市議会ホームページを活用したPR、市民アンケート調査をきめ細かく実施する。
- 公聴会、シンポジウム、講演会の開催、市民フェスティバルで議会ブースを設けるなど、市民等との意見交換会の場を設定する。
2.自治基本条例の骨子(素案)と論点整理をすべきである。
特別委員会として自治基本条例のあり方を議論してきたが、素案までには至らなかった。しかし、議論してきた自治基本条例の骨子について、まず前文として「市の特性、らしさ」「市民憲章」「自治のあり方」「制定の宣言」。総則として「目的」「最高規範性」「定義」「基本理念」。市民等として「定義」「権利」「責務」。コミュニティとして「地域」「組織」。市政への参加、協働として「参加」「協働」。行政運営の原則として「総合計画」「執行機関」「財政運営」「他自治体との連携」。「市議会」「市長」を柱とした条例の構成を提案する。
活動経過
期日 | 内容 |
---|---|
平成17年12月19日 | 平成17年第4回(12月)定例会において、自治基本条例に関する調査・研究を行うため、12人の委員で構成する「まちづくり基本条例に関する特別委員会」が設置される。て、自治基本条例に関する調査・研究を行うため、12人の委員で構成する「まちづくり基本条例に関する特別委員会」が設置される。 |
平成18年1月13日 | 第1回目の委員会開催。各委員から条例に関する基本的な考え方が述べられる。 |
平成18年2月17日 | 第2回目の委員会開催。委員間で自治基本条例についての情報交換が行われる。 |
平成18年4月20日 | 議員クラブ主催により明治大学の牛山久仁彦・助教授の「自治基本条例」についての講演会が開催される。 |
平成18年5月18日 | 第3回目の委員会開催。市側より条例制定に向けての今後のスケジュールについての報告を受ける。平成18年12月定例議会で提言を行うことが決定されるとともに、次回の委員会では「市民参加」をテーマに議論することが了承された。 |
平成18年7月4日 | 第4回目の委員会開催。「市民参加」についての議論が行われ、市民への条例のPR方法について検討する市民部会、条文の骨子・論点を検討する企画部会が設置される。 |
平成18年7月25日~26日 | 特別委員で自治基本条例を制定した四日市市を視察する。 |
平成18年8月7日 | 第1回目の市民部会開催。市民へのPR方法について議論が行われる。 |
平成18年8月14日 | 第1回目の企画部会開催。ある程度の条例の骨子・論点(素案)まで部会で研究していくことが了承される。 |
平成18年8月17日 | 第2回目の市民部会開催。市民への周知の方法について協議が行われる。 |
平成18年8月18日 | 企画部会で、平成18年3月に「豊島区自治の推進に関する基本条例」を制定した豊島区を視察する。 |
平成18年8月28日 | 第5回目の委員会開催。両部会からの活動報告を受けるとともに、四日市市の視察についての意見交換が行われる。 |
平成18年10月5日 | 第6回目の委員会開催。両部会の報告を受け、市民アンケート調査の内容、配布先について協議が行われる。 |
平成18年10月12日 | 第2回目の企画部会開催。議会報に掲載する「自治基本条例」の原稿を作成する。 |
平成18年10月16日 | 第3回市民部会の開催。市民アンケート調査依頼先団体の協議を行う。 |
平成18年10月18日 | 市民部会で、「大和市自治基本条例」を制定した大和市を視察する。 |
平成18年10月27日 | 市議会だよりに「自治基本条例」について掲載し市民へPRする。 |
平成18年10月21日 | 市民アンケート調査について議会ホームページを開設する。 |
平成18年11月13日 | 第7回目の委員会開催。両部会の報告を受け市民アンケート調査の内容、実施期間、配布先について決定される。また、平成19年3月定例会において提言を行うことが確認される。 |
平成19年2月27日 | 提言を行い結審する。 |
自治基本条例に関する市民アンケート集計結果
- 回答数 292人
- 上記の内、連絡先を記入された方 91人
属性
●お住まいは?
- 所沢市内 284人(地区別内訳は下表のとおり)
- 所沢市外 8人
地区名 | 新所沢東 | 並木 | 新所沢 | 三ヶ島 | 富岡 | 柳瀬 | 吾妻 | 山口 | 所沢 | 松井 | 小手指 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 8人 | 11人 | 16人 | 17人 | 18人 | 19人 | 19人 | 28人 | 42人 | 42人 | 42人 |
●年齢は?
年齢 | 10代以下 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 0人 | 6人 | 42人 | 25人 | 36人 | 113人 | 52人 | 2人 |
設問
わからない | まったく | あまり | ふつう | まあまあ | かなり | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 市は、普段どんなことをしているのか知っている。 | 1人 | 3人 | 45人 | 119人 | 98人 | 22人 |
2 | 市役所が行っている事業を知りたい。 | 1人 | 1人 | 14人 | 97人 | 103人 | 65人 |
3 | 市民は市の活動に協力する責任がある。 | 2人 | 2人 | 7人 | 87人 | 115人 | 69人 |
4 | 市のためにできることがあれば参加したい。 | 0人 | 3人 | 24人 | 99人 | 111人 | 48人 |
5 | 市役所や市議会はその役割をはっきりさせるべきだ。 | 3人 | 2人 | 7人 | 52人 | 86人 | 138人 |
6 | 市役所はその役割を果たしている。 | 12人 | 3人 | 47人 | 126人 | 87人 | 12人 |
7 | 市議会はその役割を果たしている。 | 18人 | 7人 | 59人 | 136人 | 51人 | 7人 |
8 | 自治基本条例制定の全国的な広がりを知っている。 | 19人 | 20人 | 83人 | 102人 | 48人 | 16人 |
9 | 自治基本条例の策定に関わってみてもよい。 | 16人 | 24人 | 62人 | 120人 | 41人 | 18人 |
お問い合わせ
所沢市 議会事務局
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