「気候変動適応」って何?

更新日:2023年1月12日

そもそも気候変動とは?

気候変動とは長期間持続する、気温及び気象パターンの変化のことを言います。
この、気候変動の要因は
(1)太陽の活動や火山の噴火、大気や海洋の変動などの自然現象
(2)人間活動によって放出された温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等)
の二つが挙げられます。
地球の気温はもともと(1)の自然現象によって上がったり下がったりしながら変化をしています。
しかし、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が2021年に出した第6次報告書によると、1850から1900年と2010から2019年を比較すると人為的な世界平均気温上昇は1.07℃であり、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と述べています。
つまり、(1)の自然現象が要因である気候変動に、(2)の温室効果ガスの影響が加わったことで、気候変動はより強く、早く現れるようになってきているのです。

気候変動による影響

■大型台風や大雨
気温が上昇すると蒸発する水分が増えるので、大型の台風や大雨が多発します。
威力の強い台風などの発生によって、大きな被害がもたらされています。
■海面上昇
氷河が溶けたり、海の温度が上がることで、海面が上昇してしまいます。
海の生き物に影響を与えたり、陸地が海に沈む恐れがあります。
■食糧不足
気温が上昇することで作物の栄養が減ったり、雨がたくさん降ったり、全然降らない地域が出てくることで、食糧の生産に影響が出てしまいます。
■熱中症
日本では猛暑日が年々増加しています。熱中症の患者数も大きく増えていて、多くの方が亡くなっています。
■感染症
気温が上昇することで蚊を媒介とする感染症(マラリア等)、水を媒介とする感染症(コレラ等)が拡大してしまいます。

「適応」とは?

気候変動の対策には「緩和」「適応」の二つがあります。
「緩和」とは、気候変動の要因である温室効果ガスを削減し、気候変動を極力抑制することを言います。IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)によると、世界の平均気温は温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、産業革命以前と比べて1.5℃及び2℃を超えると報告されています。そのため、気候変動を抑えるためには、「緩和」重要な対策になります。しかし、「緩和」の効果が現れるのには長い時間がかかることに加え、過去に排出された温室効果ガスの蓄積があるため、ある程度の気候変動は避けることができません。そこで、必要となってくるのが「適応」です。
「適応」とは、「緩和」を最大限実施しても避けられない気候変動の影響に対して、その被害を軽減し、より良い生活ができるようにしていくことを言います。
このように気候変動の対策は、温暖化の原因である温室効果ガスを削減する「緩和」と、すでに現れている影響や、今後中長期的に避けられない影響へ対処する「適応」の両方を進めていく必要があります。

緩和とは?節電や再生可能エネルギーの普及など原因を少なくすること。適応とは?熱中症予防や高温でも育つ農作物の品種開発や栽培など影響に備えること。
出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)ホームページ

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