秋田家住宅店舗兼主屋・土蔵・離れ・門及び塀
更新日:2023年9月15日
秋田家住宅の概要と登録理由
秋田家は屋号を「井筒屋」といい、所沢の織物産業の発展を支えた綿糸商でした。初代の伊左衛門は、文政9年(1826)に所沢市上安松の秋田音松の次男として生まれ、分家して当地で商いを始め、2代目の伊三郎とともに事業を拡大したといわれています。
秋田家住宅は、所沢市寿町の銀座通りに南面して店舗を構える商家の建物で、奥に細長い短冊状の敷地に、店舗兼主屋、土蔵、離れが続けて建てられ、土蔵の裏にある座敷の庭は門と塀に囲まれています。
綿糸商当時の屋敷構えがそのまま残され、明治から大正時代の所沢における商店の面影をよく伝えていることから、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」に該当するとして、文化財登録原簿に登録されました。
なお、この建造物は現在定期的な一般公開を行っておりません。通常、銀座通りから外観のみご覧いただけます。
【登録年月日】平成28年2月25日
秋田家住宅店舗兼主屋
(1)員数 1棟
(2)所在の場所 所沢市寿町527
(3)構造・形式 木造2階建、瓦葺、建築面積112平方メートル
(4)年代 明治後期
(5)主な特徴
1階前半部の店の開口を広めて格子戸をたてる。切妻造の2階を東に寄せ、上下階とも出桁造で軒先まで銅板を張り防火を講じる特徴的な外観をもつ。2階には瀟洒な造作の座敷を設け織物業で栄えた所沢のまちばの面影を伝える。
銀座通りに面した店舗兼主屋の外観
店舗兼主屋の2階座敷
秋田家住宅土蔵
(1)員数 1棟
(2)所在の場所 所沢市寿町527
(3)構造・形式 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積41平方メートル
(4)年代 明治15年
(5)主な特徴
店舗兼主屋の北西側に一体化して建つ。
土蔵造2階建、桁行9.1メートル、梁間4.5メートル、切妻造桟瓦葺で、店舗と廊下側の戸口に、いずれも黒漆喰塗の重厚な扉を開き、2階窓の庇周りでは店舗同様に木部を銅板張とする。店舗と共に、商家の構えを示す。
土蔵の外観(北西側)
黒漆喰塗の扉(店舗戸口)
秋田家住宅離れ
(1)員数 1棟
(2)所在の場所 所沢市寿町527
(3)構造・形式 木造平屋建、瓦葺、建築面積35平方メートル
(4)年代 明治後期
(5)主な特徴
土蔵の北側に建つ桟瓦葺の平屋建で、8畳の主室と次の間に縁を廻らせる。主室は座敷飾りを備え、床柱などに良材を用い、堅実な仕上げの書院とする。矩の手に廻る縁は、ガラス戸をたて、組子のガラス欄間を飾るなど、気品のある造作になっている。大正元年11月の陸軍特別大演習の際、伏見宮貞愛親王が宿泊された。
離れの8畳主室
矩の手に廻る縁
秋田家住宅門及び塀
(1)員数 1棟
(2)所在の場所 所沢市寿町527-2
(3)構造・形式 門:木造、瓦葺、間口1.6メートル 塀:木造、瓦葺、総延長9.7メートル
(4)年代 明治後期
(5)主な特徴
離れの主室前に構える門と両側にのびる塀。門は一間腕木門、切妻造桟瓦葺で、内開きの桟唐戸に家紋と木瓜枠を飾る。塀は上部に格子窓を配して腰を簓子下見板張とし、北半は敷地の形状に合わせて高低差をつくる。
門と塀(東面外観)
門
解説資料はこちらから
交通アクセス
西武新宿線・西武池袋線「所沢駅」西口から徒歩約10分
ところバス山口循環コース「銀座三丁目」下車すぐ
関連リンク
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お問い合わせ
所沢市 教育委員会教育総務部 文化財保護課
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電話:04-2991-0308
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