木造千手観音及び両脇侍像

更新日:2023年5月2日

「木造千手観音及び両脇侍像」の3躯とも様式に藤原彫刻の特色が認められ、製作年代は平安時代と推定されます。
 所沢市域では最古級の仏像であり、平安時代の地方的な三尊像として埼玉県内でも貴重な仏像です。
 
木造千手観音立像(秘仏本尊)※秘仏本尊のため非公開。
  一木造いちぼくづくり。彫眼、泥地に漆塗り。像高79.5cm。  
 金乗院本堂(観音堂)の秘仏本尊として伝来しました。『山口観音略縁起』(年不詳)によれば、聖武天皇の勅願により
 諸国行脚中の行基菩薩がこの地に至って霊験れいげんを受け、霊木を求めて千手観音と両大士を手ずから彫刻した尊像と伝えてい
 ます。後世の補修等がみられますが簡素でひなびた作風から地方仏師の手になるものと考えられます。
 
木造不動明王立像(左脇侍像)
  一木造いちぼくづくり。彫眼、古色仕上げ。両眼彩色。像高104.8cm。 
 秘仏本尊の左脇侍像。厨子入り。条帛じょうはくや腰紐等の衣文線えもんせんの彫りも素朴で類型的なところが目立つことから、地方仏師の
 造像と判断されます。  
 
木造毘沙門天立像(右脇侍)
  一木造いちぼくづくり。彫眼、古色塗り。両眼彩色、口唇朱彩。像高113.6cm。 
 秘仏本尊の右脇侍像。厨子入り。左脇侍の不動明王立像に作風が共通するところから、同時期の同一工房で造像された可
 能性があります。
 
【指定年月日】令和5年4月25日

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