木造阿弥陀如来及び両脇侍像

更新日:2022年5月10日

 本像は、三尊とも寄木造よせぎづくり玉眼ぎょくがん金泥きんでい塗りで、中尊の阿弥陀如来立像は像高98.1センチメートル、まぶたが腫れ気味で、やや長い頬をもつ特徴あるお顔立ちです。左脇侍の観音菩薩立像は像高66.7センチメートル、両手で蓮台を捧げて腹部の前方に差し出し、膝を屈して上半身を深く前傾させています。右脇侍の勢至菩薩立像は像高68.2センチメートル、胸の前で合掌し、前傾は左脇侍よりも浅い姿勢です。
 三尊ともに様式や彫刻に鎌倉時代特有の写実的表現が見られ、鎌倉時代後期の作と推測されます。特に中尊の実人的写実描写は、当時一部で流行していた仏像への生身信仰の影響を窺わせるところがあり貴重です。
 なお、阿弥陀如来立像の台座底面の墨書銘によると、貞享元年(1684年)7月15日には来迎寺において修理をされたことが明らかになっています。
 来迎寺は鎌倉時代に創始されたと伝えられ、三尊像はその本尊として安置されており、縁起によれば「車返しの弥陀」の伝承を持ちます。 
【指定年月日】令和3年4月30日
【注釈】通常非公開です。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

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