認知症

更新日:2014年6月11日

認知症は、「成人以降、脳の器質的障害により記憶力、見当識、判断力などが低下し日常生活が困難となった状態」と定義されています。

特徴

65歳以上の人の5%から7%に見られます。年齢が高くなるほど増加します。
80歳以上では男性より女性に多く見られます。
都市部と農村部では違いがなく同じように見られます。

軽度認知障害とは

正常と認知症との中間にあり、認知症の予備軍と言われます。物忘れなど、以前に比べて認知機能が低下している。日常生活はできているが、軽い能力低下がみられる

『認知症』と『もの忘れ』の違い

認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくい病気です。大きな違いの一つとして、認知症は体験のすべてを忘れてしまうのに対し、歳のせいによるもの忘れは体験の一部を忘れているという点があげられます。

老化によるもの忘れ 認知症のもの忘れ
体験の一部分を忘れる。例えば献立を忘れる。 体験全体を忘れる。例えば食べたことを忘れる。
記憶障害が中心。例えば固有名詞が出てこないことや度忘れ。 記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある。例えば料理・家事などの手順・段取りがわからなくなる等。
もの忘れを自覚できる。 もの忘れを自覚できない。
探し物を見つけようとする。 探し物を誰かが盗んだと思うことがある。
見当識障害はみられない。 見当識障害がある。時間や日付、居場所などがわからなくなる。
日常生活にそれほど支障はない。 日常生活に支障がある。
年齢とともにゆっくりにしか進行しない。 進行性である。

東京都高齢者施策推進室「痴呆が疑われたときに、かかりつけ医のための痴呆の手引き」1999より引用

認知症の原因となる病気

アルツハイマー病、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)アルツハイマー病以外の神経変性疾患、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症など認知症の原因となる病気には多くのものがありますが、特に多いのが脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。

脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の違い

  脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症
認知症の自覚 初期にはある。 ないことが多い。
認知症の進行 良くなったり悪くなったりしながら階段状に進む。 ゆっくり単調に進む。
持病との関係 高血圧、糖尿病などの持病を持つことが多い 持病との関係は少ない。
特徴的な様子 ささいなことで泣いたり怒ったりなど精神的に不安定になることが多い。 落ちつきがなかったり深刻味がないことが多い。
認知症の性質 部分的に能力が低下している。 全般的に能力が低下している。
人柄 ある程度保たれる。 変わることが多い。

認知症の症状

記憶力の低下(記憶障害)

新しいことが覚えられない最近のことを忘れる

周囲の状況がわからなくなる(見当識障害)

日付・時刻、場所がわからなくなる

当たり前のことができなくなる(失行・失認)、服が着られない(失行)

家族の顔がわからない(失認)

その人らしさがなくなる(人格変化)

短気な人がより短気・粗暴細かい人が無頓着になる

初期の頃に気づきやすい出来事

同じ事を何度も言う・聞く。人の名前が出てこない。置き忘れ、しまい忘れが目立つ。

慣れた所でも迷う。時間や日付が不確かになった。

字の間違いが多くなった。風呂にお湯を入れられなくなった。着替えに時間がかかるようになった。

以前よりだらしくなくなった。些細なことで怒りっぽくなった。

日課をしなくなった。以前あった関心や趣味が失われた。

ご家族の皆様へ

脳機能の低下は回復しないと考えて、怒らない、焦らない、あわてないこと。

家族だけでは対応が難しい症状もありますが、医療で対応することも一つの方法です。

家族で全てを抱えることはとても困難です。公的援助等を活用して負担を減らすことも大事です。

介護を自身の心と体のケアを大切にしてください。休養や家族会、相談等で息抜きをしても良いのです。

交流を通し、お互いに助け合って、認知症の方を暖かく介護できるように、また、勉強会により認知症の理解を深め、福祉の向上を目的として毎月開催しています。

関連情報

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