気分障害(うつ病・躁うつ病)

更新日:2024年4月1日

はじめに

 気分障害とは気分や感情の変化の障害のため、気分が沈んだり、高ぶったりする特徴があります。
 ストレスが気分の変化のきっかけになることが多く、しばしば再発を繰り返します。
 病状が悪い時には、一時的に妄想や幻聴などの精神症状が出るときもありますが、通常回復可能で障害を残さずに健康な状態に戻る特徴があります。

気分障害のタイプ

双極性障害 双極I型障害 明確な躁とうつ症状がみられる。従来の躁うつ病。
双極II型障害 軽い躁症状とうつ症状がみられるタイプ。
気分循環性障害 軽い躁症状と軽いうつ症状。
うつ病性障害 大うつ病性障害 いわゆるうつ病 軽度、中等度、重度に分けられる。
気分変調性障害 軽いうつ症状が2年以上続く。
非定型うつ病 20~30代の女性に多く、過食、過眠、倦怠感が強い。

躁うつ病とはどんな病気?

 躁うつ病は躁状態(病的に愉快・爽快な状態)とうつ状態(病的に憂うつ・抑うつの状態)からなります。
 出現頻度は0.3から0.5%で文化程度の高い民族、知識階級や中層から上層階級に出現しやすく、20歳代、30歳代、40から50歳代に多くみられ、躁病とうつ病は1:6から10でうつ病が多いと言われています。
 うつ病だけの人が50から60%、うつ病と躁病の両方の人が30から40%、躁病だけの人が5から10%の割合と言われています。

躁うつ病の症状の特徴

感情障害 上機嫌、気分爽快、楽天的、感情の高揚によって自分を過大評価。自信に満ち他人を無視・干渉。好き嫌いを露骨に表し、尊大・傲慢。
思考障害 思考過程が促進され、考えが次々と湧きでる。内容は楽天的で誇大的。自分の能力、事業、財産、身分などを過大に評価する。「自分は今すぐに数億円を手に入れられる」などの誇大妄想がある。
欲動障害 じっとできず、せわしく動き回り何かをしようとするがまとまりがない。大声で絶え間なくしゃべり、朝早くから夜遅くまで動き回る。時間に関係なく外出し相手の都合を考えず訪問や手紙、電話などをする。多量または高価な買い物、異性関係も逸脱行為がみられる。
身体症状 早朝覚醒、熟眠障害、入眠障害などの睡眠に関する症状がみられる。頭痛、肩こり、関節痛、耳鳴り、頻尿、消化器症状を訴えることもある。

 躁状態のときは病気という自覚が少なくなるため、周囲の気づきによる早めの受診が重要です。

うつ病とはどんな病気?

 うつ病は誰でも感じる“落ち込み”や“ゆううつ”が極端になった病気です。脳内では神経伝達物質の減少によって、エネルギーの浪費(不安と焦燥)と低下(意欲の低下)が起きています。
 うつ病は脳の病気であり「甘えや怠け」が原因ではありません。WHOによると世界人口の3から5%がうつ病であり、生涯で一度でもうつ病になる確率は16から20%と言われるほどありふれた病気です。

うつ病の症状

気分の落ち込み 常にもの悲しくて、切ない。涙が出て きて止まらない。喜びや嬉しさを感じられない。ため息ばかりついている。理由なくイライラしてしまう。
意欲の低下 やる気がなくなる。誰とも話をしたくなくなる。テレビや新聞を見たくない。好きだったことが楽しくない。何をするのもおっくうになる。
思考力の低下 記憶力が悪く、物忘れが多い。人の話などが憶えられない。悲観的、自責的な考えが強い。判断力が低下する。認知症のように見える。
からだの不調 頭が重い、鉢巻状の締め付け食欲低下、吐き気、下痢・便秘胃のむかつき、胃の重たさ。ドウキがする、胸が苦しい。立ちくらみ、めまい

うつ病にかかった人への対応

うつ病に関する知識を得る

 まずは、うつ病は病気であることを理解すること。根性論や説教でどうにかなるものではないことを知ること。

可能なかぎり休ませる

 うつ病は今まで頑張り過ぎた結果です。どんな治療も休養と組み合わせてはじめて効果が出ます。

薬についての理解

 特に治療の初期には、薬の効果よりも副作用が目立ち、本人も周囲も服薬を拒否してしまうことがあります。疑問点があればきちんと主治医に伝え、相談して行くことが何よりも大切です。

焦ることのないゆったりした対応

 本人は自分が頑張らなければならないにもかかわらず、それができず
に苦しんでいます。誰よりも自分の状態を絶望的に捉え、それを申し訳ないと思い過剰な罪悪感を持っています。

重要な決定は先のばしにする

 大きな買い物、転職、離婚など、大事なことを決定するのはストレスになります。うつ病になるとどうしても物事を悲観的に考えてしまいがちです。病気が良くなってから大事な決定をすることが大切です。

うつ病特別相談日

「夜眠れず、食欲がない、元気が無いなどの気になる症状がある」「気分が落ち込んで、何も楽しめなくなった」「通院と服薬を続けていたが最近通院しなくなった」「家族としてどのように接して良いかわからない」その他、うつ病に関することについて、精神保健福祉士、保健師がお話しをうかがいます。お気軽にお電話ください。必要に応じて、医療機関の紹介や各種情報提供をいたします。

実施日

毎月第1月曜日(祝日の場合は第2週)
午前9時から午後5時

電話番号

04-2991-1812

緊急の対応を要する場合について

命に関わる医療・健康上の問題がある場合には、すぐに適切な専門機関へ相談してください。夜間、土日、祝日に緊急に精神科医療が必要になった場合は、埼玉県精神科救急情報センター(電話:048-723-8699)にご連絡ください。

個人情報について

取得した個人情報は、相談への返信など運用のために使われます。個人情報を第三者に提供することはありません。

うつ病のつどいを開催しています

所沢市保健センターではつどいを月1回開催しています。情報交換や経験や思いのわかちあい等です。

こころの体温計でストレスチェックしてみませんか

携帯電話やパソコンを利用して簡単な質問に答えることで、ご自分やご家族のこころのストレス状況とおちこみ度を知ることができます。

関連情報

メンタルヘルスのこと、こころの病気についての情報、こころの病気になった時の治療や生活へのサポート、国の施策や専門的な情報まで、総合的に掲載しています。

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お問い合わせ

所沢市 健康推進部 こころの健康支援室
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