睡眠障害

更新日:2024年4月1日

 眠くならない人はひとりもいません。
 また「夜は眠くなる」ことは誰でも知っている常識です。
 当たり前に繰り返される「睡眠」、しかし人が眠くなる仕組みや目的については、知られていないことも多くあります。
 睡眠は体だけでなく脳も休ませます。
 深い睡眠では成長ホルモンが集中的に分泌され、また脳の過熱を防御し、深部体温を下げます。
 しかし、時に睡眠がうまくとれなくなる場合があります。
 一時的なものでなく、長期間続く場合は睡眠障害の可能性があります。
 睡眠障害は日常生活に様々な影響を与え、精神面や身体面だけでなく、行動面にも現れてきます。

こんな症状はありませんか?

  • 深夜に何度も目が覚める
  • 朝早くに、目覚める
  • 眠りが浅く、いくら寝ても日中眠くなる
  • 明け方にならないと眠れず、昼過ぎまで眠ってしまう
  • 夕方から眠くなり、夜中に目覚めてしまう
  • 激しいイビキをかき、呼吸が止まる
  • 寝ぼけて起き上がる
  • 無意識に部屋を歩き、ものを食べる
  • 大きな声で叫ぶ

睡眠の障害には、大きく4つのタイプがあります

不眠症 眠れない状況によって、寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠った気がしない「熟睡障害」があります。
過眠症 日中、異常に強い眠気が起きる状態です。不眠のために、過眠を起こすこともあります。時には、重大な事故の原因となることがあるので、要注意です。
睡眠覚醒
リズム障害
人は長い歴史を通して、昼間は活動して夜に眠るというパターンを身につけました。しかし、最近の社会環境の変化によって、この睡眠と覚醒のリズムが壊れてしまう人が増えています。
睡眠時随伴症 寝言を言ったり、寝ぼけたりすることは、健康な人にもあることです。しかし、物を壊したり人に危害を加えたり、知らないうちにものを食べたりするようなら、病気の可能性があります。

睡眠障害による影響

精神面への影響 落ち着きがなくなる。不安で気持ちが暗くなる。怒りやすくなる。疲労を感じて無気力になる。片頭痛。食欲の低下。吐き気。
身体面への影響 体力の低下。自律神経やホルモンのバランスが崩れ免疫力が低下する。これらが原因となって、他の様々な症状を引き起こしやすい。
行動への影響 注意力や判断力が低下し失敗が多くなる。作業の生産性は悪くなる。人とのかかわりが少なくなる。事故を起こす率が高くなる。交通事故を起こす可能性が高まる。

睡眠障害を起こしやすいからだの病気

痛みを伴う病気 糖尿病・頭痛・十二指腸潰瘍患者・関節リウマチ・慢性疼痛・
呼吸器や神経の病気 慢性閉塞性肺疾患・睡眠関連喘息・パーキンソン病・脳血管障害
女性特有の問題 女性ホルモンとの関連・更年期障害
その他の病気 内分泌疾患・皮膚疾患

 睡眠障害は多くの面で生活に影響を与えます。
 体の病気が原因で不眠になっている人は、人口の0.5パーセントあまりと言われます。
 また、何らかの疾患を持つ人の4パーセントが不眠に悩み、高齢者ほど不眠の割合が大いとも言われます。
 睡眠障害かも知れないと思ったら、なるべく早く専門の病院へ行って相談する事が大切です。

2週間以上続く不眠はうつのサインかもしれません

 日本の自殺者数が平成10年から12年連続で3万人を超えています。そのうち中高年男性の自殺がもっとも多く、また「うつ病」が原因であること多いと言われます。
 しかし、「うつ病」の症状には、本人が自覚しにくく、家族や周りの人も気づきにくい傾向があります。
 そんな「うつ病」で、もっとも自覚しやすい症状が「不眠」です。
 2週間以上続く不眠の早期発見が、うつ病の早期発見・早期治療、そして自殺予防につながります。

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