水生生物等調査結果
更新日:2022年6月2日
川には、様々な生き物がすんでおり、これらの生き物は過去から現在までの長期的な水質の状況を反映しているため、川にすんでいる生き物の種類を調査することで、川の自然の豊かさや水質の状況を知ることができます。
そこで、市内の河川に生息する水生生物、魚類及び付着藻類の種類や生息状況を把握し、その結果を基に調査河川の水質評価を行い、今後の環境美化や水質改善といった環境保全に関する意識啓発を図り、各種施策の基礎資料とすることを目的として、水生生物等調査を行いました。
令和元年度から令和3年度まで所沢市水生生物等調査結果概要
令和元年度から令和3年度にかけて、市内の代表的な河川である柳瀬川と東川で水生生物等調査を行いました。調査は、柳瀬川:大鐘橋(地点A)、二柳橋(地点B)、松戸橋(地点C)、清柳橋(地点D)、東川:狭山湖橋(地点E)、弘法橋(地点F)、中橋(地点G)の計7地点で行いました。
各調査地点における水質判定の結果は、大鐘橋「きれいな水(水質階級1)」、二柳橋「ややきれいな水(水質階級2)」、松戸橋「きたない水(水質階級3)」、清柳橋「ややきれいな水(水質階級2)」、狭山湖橋「とてもきたない水(水質階級4)」、弘法橋「ややきれいな水(水質階級2)」、中橋「きたない水(水質階級3)」と判定されました。
各調査地点における確認種類数は、水生生物では、大鐘橋39種、二柳橋42種、松戸橋40種、清柳橋39種、狭山湖橋23種、弘法橋29種、中橋29種が確認されました。重要種として、大鐘橋でヤマサナエ、オナシカワゲラ属及びヤマトクロスジヘビトンボ、松戸橋でヤマサナエ、清柳橋でマスダチビヒラタドロムシが確認されました。
魚類では、大鐘橋5種、二柳橋7種、松戸橋5種、清柳橋11種、狭山湖橋2種、弘法橋5種、中橋5種が確認されました。重要種として、二柳橋及び中橋でミナミメダカ、狭山湖橋、弘法橋及び中橋でドジョウが確認されました。
付着藻類では、大鐘橋6種、二柳橋53種、松戸橋33種、清柳橋65種、狭山湖橋33種、弘法橋43種、中橋27種が確認されました。重要種として、狭山湖橋及び中橋でオオイシソウが確認されました。
当市では、約35年前(昭和58年から60年まで)にも同様の調査を行っており、今回の調査と比較を行ったところ、調査地点全てにおいて、生物の多様性が増加しており、水質の改善が見られました。この理由としては、近年は開発がひと段落し、さらに下水処理技術の向上、周辺住民の環境意識の高まり等により、水生生物が生息しやすい環境になってきていることが考えられます。
橋名 | 評価結果 |
---|---|
大鐘橋 | |
過去の調査との比較 (昭和58年から60年まで) |
水生生物の確認種16から30種 ⇒ 本調査時 39種 生物の多様性が上がっている 水質階級1から2 ⇒ 水質階級1 水質が改善されている |
二柳橋 | |
今回の調査結果 (過去の調査はなし) |
水生生物の確認種42種 生物の多様性が高いといえる 水質階級2 |
松戸橋 | |
過去の調査との比較 (昭和58年から60年まで) |
水生生物の確認種7から11種 ⇒ 本調査時 40種 生物の多様性が上がっている 水質階級2から4 ⇒ 水質階級3 水質が改善されている |
清柳橋 | |
過去の調査との比較 (昭和58年から60年まで) |
水生生物の確認種8から16種 ⇒ 本調査時 39種 生物の多様性が上がっている 水質階級4 ⇒ 本調査時 水質階級2 水質が改善されている |
狭山湖橋 | |
過去の調査との比較 (昭和58年から60年まで) |
水生生物の確認種2から7種 ⇒ 本調査時 23種 生物の多様性が上がっている 水質階級4 ⇒ 本調査時 水質階級4 |
弘法橋 | |
過去の調査との比較 (昭和58年から60年まで) |
水生生物の確認種3から13種 ⇒ 本調査時 29種 生物の多様性が上がっている 水質階級3から4 ⇒ 本調査時 水質階級2 水質が改善されている |
中橋 | |
今回の調査結果 (過去の調査はなし) |
水生生物の確認種29種 生物の多様性が高いといえる 水質階級3 |
清柳橋
水生生物調査の様子
魚類調査の様子
調査地点
調査地点は、大鐘橋(地点A)、二柳橋(地点B)、松戸橋(地点C)、清柳橋(地点D)、狭山湖橋(地点E)、弘法橋(地点F)、中橋(地点G)の計7地点で調査を行いました。
詳しい調査地点図については、下記のPDFをご参照ください。
調査内容・調査方法
水生生物調査
水生生物調査については、「川の生きものを調べよう 水生生物による水質判定(環境省水・大気環境局、国土交通省水管理・国土保全局編)」※注釈1)に記載する水質階級の判定に準じた方法で調査を行いました。指標生物については、表1に記載した指標生物を用いました。
※注釈1)環境省ホームページ 川の生きものを調べよう (外部サイト)
水質 | 指標生物 | ||
---|---|---|---|
きれいな水 | 水質階級1 | ナミウズムシ | ナガレトビケラ類 |
サワガニ | ヤマトビケラ類 | ||
ヒラタカゲロウ類 | ブユ類 | ||
カワゲラ類 | アミカ類 | ||
ヘビトンボ | ヨコエビ類 | ||
きれいな水 │ ややきれいな水 |
水質階級1―2 ※注釈2) | ヒゲナガカワトビケラ類 | タニガワカゲロウ類 |
ニンギョウトビケラ類 | チラカゲロウ | ||
ややきれいな水 | 水質階級2 | カワニナ類 | オオシマトビケラ |
コオニヤンマ | ヒラタドロムシ類 | ||
コガタシマトビケラ類 | ゲンジボタル | ||
きたない水 | 水質階級3 | タニシ類 | ミズムシ |
シマイシビル | ミズカマキリ | ||
とてもきたない水 | 水質階級4 | サカマキガイ | ユスリカ類 |
エラミミズ | チョウバエ類 | ||
アメリカザリガニ |
※注釈2)きれいな水からややきれいな水(水質階級1から2)は、正式に指標種とされていないため参考扱いとする。
オナシカワゲラ
ヤマトクロスジヘビトンボ
ヤマサナエ
魚類調査
調査方法については、各調査地点において、投網、タモ網、サデ網、網かご等を用いて魚類を採捕し、現地で種の同定、体長の計測を行った後に放流しました。
ミナミメダカ
ドジョウ
アユ
付着藻類調査
調査方法については、各調査地点において、瀬または瀬に類似する場所の水底からコブシ大から人頭大の礫を拾いあげ、ゴム製のコドラート(5 センチメートル×5 センチメートル)を当てて、バットの中で礫に付着している藻類をブラシでこすり落として採集しました。採集した試料は、ホルマリンで固定保存し試験室に持ち帰り、生物顕微鏡で分析を行いました。
オオイシソウ
年度別データ
令和元年度から令和3年度
●令和元年度から令和3年度所沢市水生生物等調査報告書(全文)(PDF:22,750KB)
平成29年度
●平成29年度河川生物結果報告書(全文)(PDF:8,635KB)
平成28年度
●平成28年度河川生物調査結果(全文)(PDF:1,810KB)
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