劇症型溶血性レンサ球菌感染症について

更新日:2024年9月30日

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の発生が増えています

2024年、全国における劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の届出報告数は、1999年に統計をとりはじめて以降最多であった2023年の報告数を既に超えています 。
患者数が増えた理由ははっきりわかっていませんが、A群溶血性レンサ球菌による咽頭炎の患者数が増加したことも原因の一つである可能性があると考えられています。

妊産婦さんもご注意ください

A群溶血性レンサ球菌感染症(GAS)が極めて稀ではありますが、劇症化し、劇症分娩型 A 群レンサ 球菌感染症を発症することがあります。
妊婦や周産期の女性、新生児などの免疫が低下している人は発症リスクが高いとされています。また、経産婦(子どもがいる家庭)に多い傾向にあります。
初期症状である『のどの痛み』『発熱』『倦怠感』などがある場合は、早めにかかりつけ医や産婦人科に相談しましょう。また、ご家族や身近な方に溶連菌による咽頭炎などの方がいた場合は、受診時にお伝えください。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは?

溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)には多くの種類があり、一般的には急性咽頭炎(のどの風邪)などを引き起こす細菌として知られています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、突発的に発症し、敗血症などの重篤な症状を引き起こし急速に多臓器不全が進行することがある重症感染症です。
小児が多く罹患するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(いわゆる溶連菌による咽頭炎)とは区別されます。
子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症しますが、特に大人に多いのが特徴です。

感染経路や症状について

感染経路

「飛沫感染」、「接触感染」、「傷口からの感染」が主な経路ですが、感染経路不明の場合も多くあります。

症状

初期症状

咽頭痛、発熱、四肢の痛みや腫れ、血圧低下、消化器症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)、全身倦怠感などが見られます。

発病から病状の進行はとても早いです

発病後数十時間以内には体の組織が壊死したり、呼吸状態の悪化・肝不全・腎不全などの多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることも少なくありません。

予防のポイント

基本的な感染防止対策が有効です。

「飛沫感染」を防ぐために

  • 咳やくしゃみをする際には、マスクやティッシュ・ハンカチを使って、口や鼻をおさえましょう。

「接触感染」を防ぐために

  • 正しい手洗いの方法を確認しましょう。
  • 石けんをしっかり泡立てて、流水で行いましょう。
  • アルコール消毒を用いた手指消毒も効果があります。

「傷口からの感染」を防ぐために

  • 傷口は清潔に保ちましょう。
  • 傷口には包帯や絆創膏をもちいてきちんと保護しましょう。
  • 深い傷や感染性のある傷の場合は、医療機関を受診しましょう。

医療機関への受診

こんなときは早急に医療機関へ相談しましょう

四肢の疼痛、腫脹、発熱などの症状が見られるとき

医療機関への受診を迷ったら

  • かかりつけ医療機関へ相談しましょう。
  • 埼玉県救急相談(24時間365日 看護師が対応)に相談しましょう。

#7119 または ダイヤル回線、IP電話、PHS、都県境の地域でご利用の場合は、電話:048-824-4199

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