平成28年12月号 小池 勇太さん
更新日:2020年10月23日
プロフィール
小池勇太さん(久米在住)
作業所に通うかたわら、こよなく愛する沖縄の海や花を描く。豊かな色彩が高い評価を得て、「てんかんをめぐるアート展」で満場一致の審査員賞に。今冬、所沢での個展を初開催する。
濁りなき、カラフルな楽園。癒やしの絵を日々描く
受賞作「阿嘉島の海」
「サンゴを描きます。紫・黄緑・黄色…」。楽しそうにつぶやくと、迷いのない筆遣いから、海底の楽園が現れます。ウルトラマリンブルーとコバルトブルーを絶妙な配合で合わせると、小池 勇太さんの海が動き出します。
今年10月、日本てんかん学会50周年を記念した「てんかんをめぐるアート展」で、色彩と躍動感にあふれた小池さんの絵が、見事審査員賞に輝きました。全審査員の満場一致でした。
受賞作は、てんかんの治療に通う病院の先生に勧められて初めて出展した、幅1mを超える大作でした。題材は、大好きな沖縄・阿嘉島の海で出会ったウミガメやカラフルな魚、サンゴたち。南国の海でのわくわくする気分が伝わってきます。
習慣として絵を描くようになったき っかけは、中学校の担任だった美術の先生に、身近なものを毎日絵手紙に描くことを勧められたこと。やがてアクリル絵の具を使うようになると、小池さんの絵の鮮やかな色がますます生きるようになりました。
作業所から帰ると、まず、もうひとつの趣味であるフェルト手芸で気持ちを落ち着けてリラックス。食事、お風呂をはさんで寝るまでの時間、絵筆を握るのが小池さんの日課です。
外出するときは、絵の道具を持ち歩き、会った人の顔をその場で描いてプレゼントすることも。小池さんにとって、絵は大切なコミュニケーションツールでもあるのです。
「きくちさんのおはな」の1枚
「きくちさんのおはな」シリーズに代表される生き生きとしたお花も、小池さんが得意とする題材です。ビタミンカラーを背景に、画面いっぱいの花たちのおしゃべりが聞こえてきそうな絵。なぜか、もらったお花を描いた方が良い絵になるそうです。お花をもらったうれしさや相手の優しさへの思いが絵に表れるのかもしれません。
めくるめく色、画面を埋める魚や花々…。小池さんの絵は、観る人に元気と癒やしを与えてくれます。阿嘉島の民宿のご主人もファンの一人。宿の壁には小池さんの絵が何枚も飾られ、全国から訪れるお客さんを出迎えています。
30歳の節目に、ぜひ地元で身近な人たちに観てもらいたい。そんな夢がかない、この年末に市役所の市民ギャラリーで個展を開催することになりました。現在は静岡の病院に貸し出し中の受賞作「阿嘉島の海」も展示予定です。いつかは、大好きな沖縄でも個展を。 “小池画伯”の夢は、実現に向かって色鮮やかに続きます。
(取材:加賀谷)
小池 勇太作品展
日時
平成28年12月25日(日曜)から28日(水曜)まで
午前9時から午後5時まで
(25日は正午から、28日は午後2時まで)
場所
市役所1階市民ギャラリー
お問い合わせ
所沢市 経営企画部 広報課
住所:〒359-8501 所沢市並木一丁目1番地の1 高層棟3階
電話:04-2998-9024
FAX:04-2994-0706