令和3年3月号 高柴佳子さん(所沢市交通指導員連絡会会長)
更新日:2021年2月24日
プロフィール
高柴佳子さん
(けやき台在住)
平成6年から交通指導員として清進小学区で子どもたちの登下校を見守り続ける。
ベランダガーデニングが趣味で、たくさん植えたチューリップが花開く春を楽しみにしている。
休みの日は、大好きなディズニーランドに足を運んでリフレッシュ。
所沢の交通安全を支える 縁の下の力持ち
「こんにちは!」
晴れた午後、小学校近くの交差点に子どもたちの声が響く。
「はい、急がないで。手を挙げて渡ってね」。
背中のランドセルが大きく見える小学生たちに優しく声を掛けるのは、高柴佳子さん。
26年間この場所で子どもたちを見守るベテランの交通指導員だ。
前任の指導員は、この場所を15年以上担当していた。
子どもの幼稚園への送り迎えのためにこの場所を通っていた高柴さんは、いつも見守られ安心できる場所だと感じていたという。
いつしか挨拶や言葉を交わす顔見知りになっていた。
ある日、「交通指導員になって、この場所を担当してくれない?」と誘われた。
担当学区が変わることになったというのだ。
ちょうど仕事の環境を変えたいと思っていた高柴さん。軽い気持ちで引き受けた。
「それが、こんなに長く続くなんて。その時は考えもしなかったです」と笑う。
交通指導員の仕事は多岐にわたる。
通学路での立哨指導をはじめ、幼稚園・保育園や小学校での交通安全教室、ところざわまつりなど大きな行事での来場者の安全確保など。
苦労もあるが、50人近くの仲間たちと情報を共有し助け合いながら活動している。
指導員のつながりや絆は強く、いつも助けられているという。
一緒に交通安全教室などの活動をする班は、ベテランと経験が浅いメンバーとがバランスよく組まれている。
どうやったら子どもたちに効果的に交通安全を伝えられるか。
映像やパネル、腹話術など試行錯誤を続ける勉強会は、班の結束力が一層高まる場でもある。
新型コロナの感染拡大のため、昨年は小学校での交通安全教室が見送りに。
基本的な知識のベースづくりや復習の機会が持てなかったことを、高柴さんはとても心配している。
「今年は感染対策をしながら、可能な形で実施したい。ご家庭でもぜひ、保護者の方がお子さんに正しい交通ルールの知識を教えてあげてほしいです」。
引き締まった、会長らしい表情がのぞいた。
交通指導員の活動を通して、学校や地域が見えてくる。
市民の安全を守ることに貢献できているという大きなやりがいがある、と高柴さんは言う。
地域の人たちからのねぎらいのことばや子どもたちの元気が活力のもと。
ある日、声を掛けてくれた子連れの若いお母さんは、交通指導員を始めた頃に見守っていた子どもの成長した姿だった。
意識していなくても、きっと皆の記憶の片隅には、登下校の安全を毎日見守ってくれた交通指導員さんの姿がある。
「地域に温かく見守られ、分かりあえる仲間に恵まれたからこそ続けることができました」と謙虚に話す高柴さん。
今日も子どもたちを優しい目で見守り続ける。
(取材:加賀谷)
ウェブ版こぼれ話
腹話術の人形「なっちゃん」は、永遠の5歳児。
高柴さんのかれこれ20年来の相棒です。
「なっちゃん」はじめ、多くの腹話術の人形は、交通指導員の私物。
なっちゃんのチャームポイント、赤毛の三つ編みや髪飾りも高柴さん好み?のアレンジなんです。
休日は高柴さんのお孫さんの相手をすることも。
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