令和4年4月号 新井重雄さん(所沢市茶業協会 前会長)

更新日:2022年3月27日

プロフィール

新井あらい 重雄しげおさん

(三ケ島在住)

生まれも育ちも三ケ島。狭山茶一筋55年。
1年を通し、生活の中心に狭山茶づくりがある。
狭山茶に携わる事が出来たことは、とても幸せなことと語る。

茶園に込める狭山茶の真心

昔から「味は狭山でとどめさす」とうたわれる狭山茶は、所沢が誇る名産品のひとつ。「狭山茶を飲む時には、香りや味だけではなく、茶畑の風景も思い描いてもらえるとうれしいですね」と語るのは、昨年秋の叙勲で、旭日双光章きょくじつそうこうしょうを受章された新井重雄さん。祖父の代から続く狭山茶業農家の3代目。長年にわたる狭山茶の産地の振興や消費拡大などの業績が認められて、今回の受章となった。
新井さんが生まれた昭和21年頃には家業は養蚕から茶業へ転換していった。長男である自分が家業を継ぐことに迷いはなかった。高校を卒業してすぐお茶の名産地である静岡で茶業全般を学び、21歳の頃から実家の茶業に専念する。25歳の時、小売1号店を当時新所沢にあった商業施設の一画に出店した。当時のお茶の生産農家は茶の栽培、製造、仕上げ加工までが中心で、製品としての茶の販売についてはまだあまり関心が向けられていなかった時代だった。「自社工場で誠心誠意仕上げ加工した狭山茶を自社の店舗で直接お客様にお届けできる。お客様の声を次のお茶づくりに活かせること、そして何よりお客様から直接『おいしい!』と言っていただけた時などは生産者冥利みょうりに尽きます」と新井さんは表情を崩した。

新井さんは急須で入れる狭山茶の楽しみ方だけでなく、今の人の嗜好に合わせた狭山茶の消費スタイルにも積極的に挑戦している。気軽に飲める狭山茶のペットボトルの商品化のほか、狭山の抹茶を贅沢に使ったスイーツを堪能できるお茶カフェの取り組みも。
「お茶作りで1番大切なのは、原材料となる良質なお茶の葉を作ることであり、そのためには『茶園』の管理がとても大事。一番茶いちばんちゃが伸びる春、4月になると遅霜おそじもによる被害を受ける事がないかなど、新芽が順調に伸びるまでは、気の抜けない日々が続きます」と語る。 「自分がここまでやってこられたのは、多くの皆様のお力添え、ご指導、ご支援があってのこと。そして、いつの時代も苦楽を共にしてきた社員と家族の支えがあればこそ。人との出会いにも恵まれている。すべての事柄に感謝の気持ちを忘れない事が大切です」と、謙虚に語る新井さん。その姿は、狭山茶の味わいのように奥深いものがある。 (取材:坂本)

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