令和4年11月号 松島 璃空さん(J-GP3クラスロードレーサー)

更新日:2022年10月27日

プロフィール

松島まつしま 璃空りく さん

(市内在住)

コンパクトな車体に250ccエンジンを搭載したレース専用マシンで競い合うJ-GP3クラス。コーナリングスピードは大排気量クラスを上回る。
バイクに乗れない日は筋トレ。レースに勝つための必要な努力は惜しまない、ストイックな高校生ライダー。

何度だって立ち上がる!夢は世界一のロードレーサー

 今年10 月に行われた「筑波ロードレース選手権(J-GP3)」で優勝を果たし、見事シリーズチャンピオンに。さらに「もてぎロードレース選手権(JGP3)」でもシリーズチャンピオンに王手をかけ※、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進するライダー・松まつしま島璃りく空さんは、まだ笑顔があどけない高校1年生だ。
 小さい頃から負けず嫌いで、どんな事でも友人と競争するのが大好きだった松島さん。小学2年生の時、テレビで見たロードレースのスピードに衝撃を受け、父親に「自分もやりたい!」と頼み込む。ポケットバイクという小型バイクの体験会に二度ほど参加し、小学4年生から本格的に競技を始めた。
 バイクに乗り始めて2カ月後、人生初のレースに出場。バイク経験者だった父の指導もあり、見事、初出場にして初優勝を飾った。
 しかし、1カ月後に行われた大会で、臓器を損傷する大けがを負い、入院。医師からは回復までに半年かかると告げられ、「こんな痛い思いはもうしたくない」と一度、競技を離れようとする。
そんな時、仲良くなった同部屋のおじさんが懸命に応援してくれて、いつしか「その気持ちに答えたい」という気持ちが強くなっていった。その想いが力となり、医者も驚くほどの回復力を見せ、なんと3カ月後に競技を復帰する。
 それからは順調に結果を残し、中学2年で本格的に250cc のロードレースに挑戦した松島さんに、願ってもないチャンスが訪れる。次世代を担う若手育成プロジェクトメンバーに選出されたのだ。元世界チャンピオンや全日本チャンピオン直々の指導を受け、松島さんはめきめきと上達していった。
 だが、二度目の試練は突然やってきた。
 走行中のフォームを確認する練習で、講師が松島さんのすぐ後ろを走行していた時、松島さんはハンドルをとられ転倒してしまう。その際にタイヤが地面にぶつかった反動でバイクは宙に跳ね上がったあと、不運なことに倒れている松島さんめがけて落下したのだ。ドクターヘリで救急搬送され、一命を取りとめるも「もう運動はできないかもしれない」と医師から告げられる。
 しかし、松島さんは諦めなかった。「支えてくれた周囲の人たちのためにも、絶対に復帰するんだ」という想いを胸にリハビリに必死に取り組んだ結果、奇跡が起きた。もう運動はできないと言われた体が、わずか半年で回復したのだ。
 復帰後は大好きなバイクを毎日のように練習し、今シーズンは10戦中8回優勝。
 「夢は世界選手権で優勝すること」と曇りのないまなざしではっきり答えた高校生ライダーは、試練をバネに今日もバイクを走らせる。
(取材:関)※10月20日時点

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