平成30年7月号 高橋 秀世さん(ところ産食プロジェクト)
更新日:2018年6月28日
プロフィール
高橋 秀世さん
「ところ産食プロジェクト」発起人・プロジェクトリーダー。
所沢野菜のおいしさを広めようと、地元農家の新鮮な野菜を会員の飲食店に卸す新しい流通システム「ところ産食プロジェクト」を立ち上げる。
「お菓子の工房エミール」代表、けやき台在住。
自身も、おいしいものが大好き。
農家と飲食店、想いが詰まった野菜を召し上がれ
昼下がりの洋菓子店。店頭のおいしそうな焼き菓子の間に、朝採れのみずみずしいヤングコーンが並ぶ。
洋菓子店に野菜?
最初は不思議そうに手に取るお客さんたちが、店員の話を聞き、笑顔で購入していく。
「地元の野菜でスイーツを作れないか?」高橋秀世さんの夢は、とある雑誌の企画から始まった。
平成10年から泉町で洋菓子店を営む高橋さん。引き受けたものの、地元でどんな野菜を作っているのか、全く知らないことに気付き、がくぜんとしたという。
北海道・十勝平野の農家に生まれ、野菜には親しんで育ったはずだった。菓子作りに没頭してきて、今暮らしている地域の農業を知らなかったことを痛感した高橋さんは、「所沢の農業を知りたい、何か関わりたい」という夢をふくらませていく。そんな折、軽い気持ちで口にした夢に乗ってくれたのが、所沢商工会議所の職員だった。
市が主催する異業種の交流の場「きっかけづくり交流会」への参加も、同じ想いを持つ人たちと結びつく、まさにきっかけとなった。勉強会を重ね、平成25年5月に農家と飲食店がつながる「ところ産食プロジェクト(とこプロ)」設立。3年後には、事務局が商工会議所から「独り立ち」した。
地元農家の新鮮な野菜を会員の飲食店にワンストップで提供する。近くのおいしいものを見つけ、地産地消を進める「とこプロ」は、設立後5年が経過し、約120の会員を擁するまでに成長している。
「野菜がどのような想いで作られているのかを共有したい。農家の想いを知れば、料理は必ず変わります。損得だけで考えていたら、とてもできない活動ですね」と、高橋さんは語る。もっと農家のことを知ってもらおうと、農場を訪問する取り組みも重視している。畑は勉強の場。飲食店をつなげるだけでなく、農家同士の交流や教育の場にもなっている。
高校生が実習で育てた苗を農家に卸したり、調理師学校でプロが教える料理教室を開いたりと、学校との連携などにも取り組む「とこプロ」の活動は、野菜を通して人をつなぎ、さらに他の業種へも広がっていく可能性を秘めている。
「つながり」と「想い」を大切にする高橋さん。「自分は、タイミングと人に恵まれたのだと思います」と、謙虚にほほ笑むが、そのタイミングも人も、高橋さんの熱い想いが引き寄せたものだ。
「とこプロ」のロゴを見かけたら、ぜひその野菜を味わってほしい。きっと、地元・所沢の農業を応援する、たくさんの想いが詰まっているはずだから。
(取材:加賀谷)
高橋さんのお店の野菜スイーツ
ホウレンソウ、里芋、狭山茶・・・
高橋さんのお店には、所沢ならではの野菜を使ったスイーツが並んでいる。
ケークサレ(食事用の甘くないケーキ)にも、地元の野菜がぎっしり!
ところ産食プロジェクト
「とこプロ」会員のお店は、このロゴが目印。
平成30年7月中旬ごろまで「とうもろこしフェア」開催中!
所沢の朝採れとうもろこしをご賞味あれ。
「とこプロ」の活動は、ホームページをチェック!
ところ産食プロジェクトホームページ(外部サイト)
広報ところざわ平成29年10月号でも紹介しています!
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