平成28年7月号 金丸 賀也さん(株式会社ON-ART代表取締役)

更新日:2016年7月1日

プロフィール

金丸かねまる賀也かずやさん(市内企業・株式会社ONおん-ARTあーと在勤)

特殊美術品の企画製作販売を行っている株式会社ON‐ART代表取締役。
上野科学博物館のジオラマ制作や、立体塗装をした「リアルバルーン」などを手掛け、『DINOでぃのALIVEらいぶ』では、国内外の技術特許を取得。
経済産業省や東京都などのものづくり関連の賞を多数受賞しています。

金丸さんの写真

想像してください。
今はいない生き物、例えば「恐竜」が目の前に現れ、歩き、うなり、襲いかかってきたら、あなたは何を感じるでしょうか。
驚き、恐怖、感動…その場にいなければ感じられない、感覚に根ざした感動体験を日本各地で与えている人がいます。
糀谷こうじやにスタジオを構える株式会社ON‐ARTの代表取締役・金丸 賀也さんは、
まるで生きているかのように縦横無尽に動く自立歩行恐竜を独自の技術で開発。
リアル恐竜体験プロジェクト『DINOA‐LIVE』を年間300ステージ以上開催しています。

もともとトリックアートを取り入れた壁画やジオラマ造形の仕事をしていた金丸さんが、
オリジナルの恐竜づくりを始めたのは今から約10年前。
「大手企業に対抗できるオンリーワンの技術力には自信がありました。
自分たちの持っている技術を一番表現できるもので、かつ、社会に貢献できる仕事。
それらを突き詰めた結果、誰も見たことのない“生きているような恐竜”を作ることが、
現状を変える起スイッチ爆剤になると思ったんです」。

しかし、世界初となる技術を生み出すのは簡単なことではなく、最初の歩く恐竜の完成は構想から4年後でした。
「『DINO‐A‐LIVE』は、自分たちの持っているさまざまな技術を掛け合わせて、
誰もやったことがない新たな仕事を生み出していく挑戦でした。
今はいない恐竜という生き物を骨格からリアルに再現することで、
こういう生き物が人類誕生のはるか前に地球上にいたんだ、という自然のすごさを感じてもらえるものを作りたかったんです。
だからこそ、子どもたちの『かっこいい!』という素直な感動の声を聞くと、
うれしくて、思わず『だろ?』と言ってしまいます」と笑う金丸さん。
その顔には、人に感動を与えるものづくりの担い手としての誇りと、
自分たちの生き残る場所を切り開いてきた経営者としての誇りが垣間見えました。

「地球の歴史を体感するのに、国境、人種、言葉、年齢などは全て関係ありません。
アートのスイッチをオンにする“ON‐ART”として、これからも、
体感することで伝わる感動を世界中の一人でも多くの人に届けていきたいと思っています」。
(取材:佐々木)

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