令和元年11月号 北勝富士 大輝さん(大相撲力士)
更新日:2019年10月27日
プロフィール
北勝富士 大輝さん
所沢市(久米)出身で初の幕内力士。
身長184cm、体重161kg、平成4年生まれの27歳。
南小学校、南陵中学校を卒業後、相撲強豪校の埼玉栄高校、日本体育大学へ進み、八角部屋に入門。現在の番付は前頭筆頭。
感謝の気持ちをノートに書くのが日課。小さな事にも感謝できるようになり、人の思いやりに気付けるのだそう。
本年10月に婚約を発表。
※取材内容は2019年9月27日時点
感謝を胸に 相撲界で輝く所沢の星
ずっしりとした大きく分厚い手のひらは、
今までどれほどの困難を乗り越えてきたのだろう。
17年間、ひたむきに相撲と向き合ってきたからこそ出来上がった、
その力強い手のひらの持ち主は、
所沢市出身で初めて幕内力士となった北勝富士関(本名:中村大輝さん)だ。
相撲との出会いは、小学2年生の時。
母の勧めで出場した所沢市のわんぱく相撲大会がきっかけだった。
当時から体格に恵まれ、スキーや水泳、サッカーなど、
さまざまなスポーツをこなす少年だったが、相撲で初めて“壁”に出会う。
「決勝戦で初めて勝てない相手に出会いました。
しかも、2年連続で同じ相手に負けて準優勝。
悔しくて仕方がなかった」。
生粋の負けず嫌い。
そこから北勝富士関の相撲人生が幕を開いた。
小学4年生で入間市の少年相撲クラブに入部。
週4日の練習に打ち込んだが、勝てない日々。
負けるたびに悔しくて泣いた。
しかし、その悔しさが無ければ今はないと語る。
「勝てなかったから良かったんです。
簡単に勝ててしまったら、きっと飽きてやめてしまっていた。
自分の相撲人生は、要所要所で勝てない相手に出会うんです。
でも、その出会いがあったからこそ、
ひたすらに『勝ちたい、一番になりたい』という気持ちを持ち続けて、
ここまでやってこられました」と振り返る。
悔しさをバネに成長し続けた中村少年は、小学5・6年生の県大会で優勝。
その後も、中学、高校、大学と全国優勝を果たし角界入り。
苦労を重ねながらも、平成28年に一人前の力士と認められる十両となり、
現在は、幕内力士として国技館を沸かせている。
2019年8月に行われた大相撲所沢場所でも大活躍!
そして、来る大相撲令和元年11 月場所。
小結復帰が確実とされるが、その道のりは険しく、
つらく苦しい稽古や、けがに苦しめられることもあった。
それでも、一度も相撲をやめたいと思ったことはないという。
その根底には、相撲から学んだ“感謝と思いやりの心”がある。
「相撲は一人ではできません。相手や周りがいてこそできるんです。
周りの支えや応援があるからこそ一生懸命打ち込めるということを忘れてはいけない」。
その言葉は、勝っても負けても、
“北勝富士”という力士を応援し続けてくれる両親やファンへの感謝、
そして、その期待に応えたいという思いやりにあふれていた。
「礼に始まり礼に終わる。
国技であり神事でもある相撲は、
勝ち負けだけでなく、その所作も見てほしいです。
何のために四股を踏むのか。
一つ一つ、感謝の心を込めています」。
勝負にかかわらず、力士としてのふるまいを決して忘れない北勝富士関の相撲には、
真面目でひたむきな性格が表れている。
「言葉でなく中身で見せる。
見ている人の心に響くような、そんな相撲を取りたい」と
力強く語る所沢の星は、これからも、より一層輝きを増していく。
(取材:佐々木)
Web版こぼれ話
所沢の好きなところは、人の温かさ
所沢の好きなところを聞くと「人の温かさですね」と北勝富士関。
所沢のまちを歩いていても、道行く人が「あ!」と北勝富士関に気付きながらも、
そっと見守ってくれていることが多いそう。
「照れ屋さんが多いのかもしれませんね(笑)
もちろん声をかけてもらうのもうれしいですが、
地元でゆっくりリラックスして過ごすことができるのがありがたいです」とのこと。
これからも、プライベートの時間をリラックスして過ごしてもらえる、そんな地元・所沢でありたいですね。
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